こんな方が対象です。
・CPAが高騰したリスティング広告の運用を急遽、任された方
1.CPA高騰時の改善手順[大枠]
一般的な運用では「止める」「下げる」は二の次と言う方も多いかと思いますが、緊急性が高いケースではそうも言ってられません。
緊急性が高いケースでは大きく下記の2点を行います。
ⅰ.CPA適正値までCPCを下げてCPA、ROASを改善
ⅱ.クエリ、広告を精査し再拡張&微調整
当然、売上が下がるリスクは高いので事前に『何を行い、どの様なリスクがあるか?』を定量的に上司やクライアントに説明する事をオススメします。
2.改善手順詳細[緊急時対応]
(1)CPCのコントロール(down)でCPAを適正値まで下げる
CPAの適正値試算を行い、限界までCPCを下げるのが最初のstepです。
インプレッションは減少しますが、この段階で一定の水準までCPAとROASを改善する事ができます。
【CPCコントロールの詳細】
①ICC分析とABCD分析をベースにした試算
リスティング広告で有名且つ効果的な分析手法を活用します。
・ICC分析 ※こちらがメイン
ICC分析とは、「Incremental Cost Per Click」つまり「増分CPC」を使った入札単価最適化のための分析手法
・ABCD分析 ※こちらは再拡張時に利用
参考サイト
・リスティング広告の入札単価調整|デジタルマーケティングラボ
↑情報として古いものありますが、書籍レベルの情報を発信されているサイトです。
リスティングの基本的な考え方がわからない方は全ページ目を通しても良いと思います
・ABCD入札でリスティング広告の運用を効率化する方法 | TBOX
②ICC分析のイメージと調整
イメージはこんな感じです。
ⅰ.レポートを管理画面からエクスポート
※キャンペーン単位だと大きすぎるので、「広告グループ単位」「キーワード単位」でエクスポート
ⅱ.COST順に降順
ⅲ.許容CPAを入力
ⅳ.【許容CPA ÷ CPA】を入力
ⅴ.【CPC × (許容CPA ÷ CPA)】で適正CPCを算出
ⅵ.適正CPCからOverしている箇所を優先的に再入札
※先ほども説明しましたがCV、売上は低下します。
↓
緊急時対応が終わったら次にクエリと広告文の精査を行います。
(2)クエリ、広告文の精査
基準値を下回っていた、オレンジ色の広告グループとキーワードの精査を行います。
この作業は「CVを回復させる為に重要」になります。
(1)ではCPAを優先したため、非常に乱暴なCPCのコントロールを行いました。
その結果、精査すれば適正CPAで取れていた広告グループやキーワードまで必要以上に順位を下げている可能性が高くなっています。
本工程でそのような無駄を排除するのが重要です。
クエリと広告文の精査を行ったら、停止するクエリと広告文の数値を除き、基準値に達するか否かを再計算します。
↓ーーー拡張ーーーー
計算を基に次の工程でCPCのコントール(up)を行います。
(3)CPCのコントロール(up)
再計算を行ったのが上記のようなイメージです。
無駄なクエリと広告文を除外した結果DDDからFFFの広告グループの適正CPCが再試算できました。
【試算によるbefore → after】
・DDD 初期入札 ¥200 → ¥255
・EEE 初期入札 ¥100 → ¥275
・FFF 初期入札 ¥33 → ¥155
↓
上記の再入札で一旦CPA高騰の対処は完了します。
3.まとめ
以上がCPA高騰時の対処法です。
あくまでも緊急時の対処法なので、基準値までコントロールできたら本来のリスティング運用業務を行いましょう!
最近は自動化が進んでいるので、そこまで使用することがないかもしれません。
しかし、緊急性を要する時には効果的な手段ですので頭の片隅で覚えておいていただけますと幸いです。
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