こんな方が対象です。
・運用型広告をはじめようとしている方
・上司からのムチャぶりで運用型広告を急にやることになった
・チャネルの拡張を検討している方
運用型広告をはじめる時には
『そもそも運用型広告を配信出来るか否か=採算は合うか?』
を検討しなければなりません。
この記事では採算が合うか否かの簡単な確認方法と判断基準を説明しています。
1.簡単な確認方法
一番簡単な確認方法は競合他社が広告を出しているか否かを確認する事です。
『広告を継続的に出稿している=売上/利益が出ている』事が多いので一つの判断基準になるでしょう。
今回は『医療保険』を運用型広告でプロモーションする事を想定して説明します。
step1:サービス名称で検索
『医療保険』とGoogleで検索すると7社のリスティング広告が確認できます。
7社もあると競合性は高いですが、売上が見込める市場だと判断できるでしょう。
0〜2社=競合性低い
3〜5社=競合性中位
6社以上=競合性高い
上の基準が絶対ではありませんが出稿企業数で判断するのも一つです。
競合性が高いと同時に難易度も上がりがちですが、確実に売上が上がる証明でもありますので勝負する価値はあるかと思います。
step2:競合サイトに流入してからネットサーフィンをする
競合がリマーケティング(若しくはリターゲティング)という広告を使用していると、バナー広告が表示されます。
リマーケティング広告は主要な運用型広告であればほぼ運用できるメニューですので一つの参考になるかと思います。
Google Adwords、Yahoo!プロモーション、Twitter広告、Facebook広告でリマーケティング広告は利用できます。
『医療保険』で検索しSEO上位10社に流入してからネットサーフィンをしてみた結果▼
赤い枠で囲ってある場所が広告です。
※下図の広告はGoogle Display Networkのリマーケティング広告でした。
step3:Google Chromeの拡張機能である『Ghostery』をインストールして競合サイトに流入する
ちょっと面倒臭いやり方ですが、広告を出稿しているか判断する方法としてGhosteryがあります。
Ghostery は、Facebook や Google、その他500以上の広告ネットワーク、行動データプロバイダ、ウェブパブリッシャーなど、あなたの行動様式に関心のあるあらゆる企業が設置したウェブページ上の「見えない」ウェブを見つけ、トラッカーやウェブバグ、
ピクセル、そしてビーコンなどを検出します。 管理 Ghostery では、不審な企業からのスクリプトや、画像、オブジェクト、フレーム付きドキュメントなどをブロックします。 ※上の文章だけ読んでもなんの事だかわかりにくいので以下で説明します。
医療保険で検索してSEO1位にありました『保険市場』のサイトに流入し『Ghostery』で確認すると実に43種類の広告タグを使用している事がわかります。
※正確に言うと広告計測用のタグが含まれている事がわかるだけなので実際に今現在広告が稼働しているかはわかりません。
ここまでが簡易的な確認方法です。
次に判断基準を説明します。
2.採算が合うか否かの判断基準
判断基準の計算方法を順を追って説明します。
(1)LTVの把握
1顧客当たりの生涯価値を把握します。
ex.
・リピート化を前提にしている商材
化粧品、健康食品、サプリメントなど
(顧客単価×年間購入回数)-(運用外費用)=最大投資可能額
・単発の購入が前提の商材
引越し、ブライダルなど
(顧客単価)-(運用外費用)=最大投資可能額
ここまでで顧客1人当たりの最大投資可能額が算出、出来ました。
※ここで言うLTVは通算ではなく年間で計算しています。
事業が成熟していない、成長スピードが早い場合には月計算を求められる事が多いです。
(2)基準値の設定(ROAS)
最大投資可能額を100%とした場合、何%まで投資可能かを決裁者に確認する必要があります。
しかし、ただ単に決裁者の判断を仰いでも明確な答えを得られないことが多いので前提条件を準備しておく事をオススメします。
■広告の目的(シェアか利益か?)
【シェアを求められるときに多い状況】
・他の集客方法やwebチャネルで利益は十分でている
・事業の成長スピードを更にUPさせたい
などはシェアや売上額を求められる事が多いので最大限投資出来るプランを提案しましょう。
具体的なROAS目標は100%前後になるケースが多いです。
【利益を求められるときに多い状況】
・新規商材/サービスを始めようとしている
・売上に締める宣伝広告比率が低い方針の会社
上記の考えの時は利益重視でプランを提案しましょう。
具体的なROAS目標は200〜300%になるケースが多いです。
基準値が確定したので次は基準値を基に運用シミュレーションを立ててみましょう。
(3)基準値をベースに計算式を作成する
CV1件あたりの想定工程別数字を作成します。
※ExcelやGoogleのspreadsheetを使用する事が多いです。
【前提】ROAS目標値 100%、CPA目標値 ¥10,000に決まった場合
簡易手順 [項目名を入力]→[ROAS、CPA目標値を入力]→[CVを1と入力]→[予測CVRを入力]→[予測CTRを入力]→[計算式を入力 CPC=CPA目標➗クリック数、クリック数=CV➗CVR、インプレッション数=クリック数➗CTR]
①ROAS目標値とCPA目標値を入力
基準値となるROAS目標値とCPA目標値を入力します。
②予測CVRを入力
予測CVRの入力方法としては下記の2点が挙げられます。
・他チャネルのCVRを基準に計算
運用型広告以外で利用している集客方法を参考にしてCVRを入力します。
大体ではありますが、SEOと比較して1/3くらいになるケースが多いです。
・web上の情報から推測して入力
できれば前者で対応したいですが、出来ない事もありますのでそのような時はweb上で類似サービスの運用型広告の事例を見つけ予測CVRを入力します。
③予測CTRを入力
予測CTRは計算が難しいので仮で下記の数字を私は入力してます。
・Google Adowrds『3.00%』※完全一致を想定
・Yahoo!プロモーション『3.00%』※完全一致を想定
・Twitter広告『0.30%』
・Facebook広告『1.00%』
④予測CPCを計算式で算出
算出した計算式のCPCが適正か否かを確認します。
■Google Adwords、Yahoo!プロモーションのケース
Google Adwordsのキーワードプランナーで確認。
ざっくり説明しますとサービス名称を検索して推奨入札単価を確認します。
乖離が20%前後であれば実行可能と判断して良いかと思います。
■Twitter広告のケース
CPCが150円以内であれば十分、実行可能だと思います。
■Facebook広告のケース
結構、商材やターゲティング毎に乖離があるのでなんとも言えませんが300円以内であれば十分、勝負はできると思います。
(4)実行判断について
(1)〜(3)までの数字で実現可能と判断できれば大体は運用型広告を運用しても問題ないです。
あまりにも数字が予想と乖離している時は大体うまくいきませんが、一定の予算を決めてテストマーケを行うのもありだとは思います。
(5)まとめ
説明したものを全部やろうとすると大変かと思いますが基準値の作成は重要なのでやる事をおすすめします。
計算が面倒な方は『1.簡単な確認方法』だけやって「えいやっ」で初めて見るのも良いかもしれません。
※今回の記事は経験則に基づくもので全サービスに当てはまるかどうかは保証できません。実行する際は熟慮の上お願いします。
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